通級指導教室と特別支援学級の違いとは?
こんにちは!スマイル先生です。
発達が気になる子どもたちやその子を支えるご家族の皆様の役に立つ情報をお届けします。
「うちの子、もうすぐ小学校に入学だけど、普通のクラスで大丈夫?」とお悩みの保護者さんも多いことでしょう。
今回は、発達が気になる子に対して、小・中学校においてどのようなサポートがあるのかをご紹介します。
● 「通級指導教室」とは?
通級指導教室(通級)とは、比較的障がいの程度が軽い子どもたちが、週に数時間だけ通う教室のことです。通級指導の際は原則1対1の個別指導で行われますが、それ以外は通常の学級に籍を置いていることが特徴です。
通級指導教室は子ども一人ひとりの困りごとの違いによって、「ことばの教室」「きこえの教室」などの名称で小中学校に設置され、専任の先生が担当します。しかし、学校の規模や自治体によって設置状況が異なるため、在籍する学校にその子の必要とする内容の通級指導教室がない場合は、他校に通う場合もあります。
通級指導教室は、勉強の遅れを補習する場所ではありません。その子の特性を理解し、得意な部分を生かして苦手な部分を補うための具体的な方法を学ぶことで、学習面や生活面での困難を和らげることを目的としています。
● 「特別支援学級」とは?
特別支援学級とは、障がいをもつ子どもが一人ひとりに応じた教育を受けることができるよう小・中学校に設置された少人数のクラスです。通常、6~8人で構成され、学校によって「なかよし学級」「ひまわり学級」などと呼ばれています。子どもの籍は通常の学級ではなく特別支援学級に置かれますが、給食や学校行事など、通常級の子どもたちと一緒に過ごす場合もあります(交流級といいます)。
特別支援学級は学年関係なく、障がい種別に編成されています。しかし、特別支援学級を設置している学校であっても、すべての障害に対応しているわけではありません。就学を考えている学校にどのような種類の特別支援学級が設置されているのかを確認することが大切です。
特別支援学級では、自立活動(障がいによる学習上または生活上の困難を克服し、自立を図るためのもの)と、障がいの程度に合わせた教科変更に重点をおき、子ども一人ひとりに合わせた個別の教育課程を編成しています。
● 就学先の決め方
就学先は、入学前の就学相談などを経て、自治体の就学支援委員会が総合的に判断し、さらに教育委員会が最終的に判断して通知を出します。例えば、次のような選択肢が考えられます。
① 通常の学級で合理的配慮を受ける
② 通常の学級に在籍しながら通級指導教室を活用する
③ 特別支援「学級」に在籍する
④ 特別支援「学校」に在籍する
ほとんどの場合、通常級から支援級への転籍や、その逆の転籍もできます。しばらく通って様子を見てから、学校に相談してみるのもいいでしょう。ただし、特別支援学級の児童数は年々増加傾向にあり、学年途中での転籍は難しい場合が多いため、年度の初めに「転籍も視野に入れている」ということを学校側に伝えておくと良いでしょう。
● まとめ
どの就学先を選択するかは、「その子にとってどこが一番安心して過ごせるか」が重要です。学校に通うのは親ではなく子ども自身です。通常の学級で過ごすことに子どもがストレスを感じるのであれば、通級や特別支援学級を選ぶことも必要です。
通級指導教室も発達支援学級も、個別の支援計画や指導計画が準備され、子ども一人ひとりに合わせた支援が行われます。子ども自身がストレスなく、楽しい学校生活を送れるようにサポートしてあげられるといいですね。